疥癬(かいせん)について

皮膚にダニの一種のイヌセンコウヒゼンダニが寄生しておこる皮膚病です。皮膚にフケがでて、激しい痒みをともない皮膚炎をおこし、場合によっては脱毛もみられます。一般的によく知られているマダニとは違い、目には見えないため動物病院でもなかなか発見されない事もあります。また、このイヌセンコウヒゼンダニは、人間にも感染します。アレルギーとも症状が似ているため、ダニと気づかない事も。

疥癬(かいせん)の原因

イヌセンコウヒゼンダニが寄生して、皮膚に症状をおこします。

疥癬(かいせん)の症状

犬の耳のふちや顔、ひじ、ひざ、かかと、足の甲などの皮膚がかたく固まって、フケや激しいかゆみをともなう発疹がでます。進行すると、フケが厚いかさぶたをつくり、その下は、ヒゼンダニが繁殖します。接触によって簡単に感染するため、犬を集団で飼育している家庭や犬舎などでは、一匹がかかると、全体に蔓延することがあります。共用のペット用品、ブラシやタオル、寝床も含め一緒に使わないように注意が必要です。50℃以上でダニが死滅するため、お湯に10分間つけておくと予防になり効果的です。この皮膚病の犬を人間が抱いたり触ったりすると人間も感染し、腕や胸、腹などに赤く小さな発疹ができて、かゆみが生じます。また、ネコにも寄生しているヒゼンダニも犬や人に感染して、同じような皮膚症状をおこします。

診断方法

皮膚の炎症や脱毛などが生じている病変部の皮膚の一部を採取して、ヒゼンダニやその卵の有無の検査。

治療方法

ダニを殺すための外用薬の塗布や薬浴、ダニを殺す抗生物質の内服をします。これからと並行して、かゆみをおさえる薬や、皮膚の回復をたすける薬を服用させます。
治療を開始していったん症状が軽減したようにみえても、再発するおそれがあるので、ヒゼンダニが死滅して犬の患部が完全に治るまでは、獣医師の指示どおり治療をつづける必要があります。犬疥癬が見つかり、ほかに猫や犬を飼育している場合には、これらの動物の検査もおこなう必要があります。ヒゼンダニを駆除したあとも、動物たちの生活環境を衛生的に保つように注意します。

犬の疥癬の予防法

犬の疥癬の予防として、日頃より清潔にし、ノミやダニを避けれる環境にしてあげて下さい。また、動物病院にて、フロントラインなどでダニ予防も効果的です。フロントラインは、ペットに寄生した成ノミやマダニを速やかに駆除。ノミの卵の孵化・発育まで阻止する効果が期待でき、寄生中のノミだけでなく、その繁殖・再寄生を予防します。 また、犬のシラミとハジラミ、猫のハジラミを駆除する効果も確認されています。